急かされない旅行を、私は結婚してから知りました

父は昔から、時間を無駄にするのが嫌いな人でした。

レストランでメニューを見ていると「早く決めろ」。待ち合わせに少しでも遅れると「早く来て待ってろ」。旅行に行っても、おみやげをゆっくり選ぶことは、まずできませんでした。

私はそれが普通だと思っていました。

なんとなく嫌だなとは感じていましたが、比べる相手がいなかったので、そういうものだと思っていたのです。

結婚して、旦那と旅行に行くようになりました。

おみやげ屋さんで、私と娘は30分くらいは平気で見ています。下手すると、それ以上になることもあります。旦那はそのあいだ、一緒に選んだり、スマホを見たり、自分で時間をつぶしています。

「パパ、おまたせ」

そう言うと、「オッケー、もう大丈夫?」と返ってきます。

旦那にとっては、それが自然なんです。待っていてやった、という感じがまったくありません。

正直に言うと、私は待たされるとイライラしてしまうほうです。自分は自分で、なかなか決められなくてトロくて、人を待たせているくせに。

待たされるのが苦手なところは、父に似てしまったんだと思います。旦那を見習わないと、と思います。

娘には、何度かこう言ったことがあります。

「パパはこういうとき、全然嫌な顔しないで待っててくれるでしょ。優しいね。ありがたいことなんだよ」

娘にとっては、待ってもらえるのが普通です。

そのくらいで、ちょうどいいのかもしれません。

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