娘の自転車の子のせを、とうとう外しました。
とっくに乗る年齢ではなくなっていたので、外さなきゃとは、ずっと思っていたんです。でも私は車の運転ができません。もし娘が熱を出したら、これに乗せて小児科へ行けるかもしれない。そう考えて、ずるずると残していました。
そうこうしているうちに娘はどんどん大きくなり、子のせにはほこりが積もっていきました。
今思えば、「いざというとき」は半分口実で、ただ外したくなかっただけなのかもしれません。
この子のせには、ずいぶんお世話になりました。公園も、買い物も、幼稚園や習い事の送り迎えも。遊園地や映画館、いちご狩りまで、どこへ行くにも娘はここにいました。
春には、うしろに娘を乗せて桜並木の下を走りながら、「幸せだなぁ」と思ったのを覚えています。
外したあとには、カゴを取り付けました。前と後ろのダブルカゴで、荷物がたくさん積めて便利です。今も毎日のように乗っています。
便利になったし、これでよかった。それは本当なんです。
でも、うしろが軽くなった分だけ、少しさみしいのです。
……と、しんみりしていたら、気づきました。
娘は今、自分の自転車で、私のうしろをついて走っています。
乗せていた「うしろ」から、ついてくる「うしろ」へ。
これもまた、「幸せだなぁ」と思える景色です。きっといつか、思い出すんだろうな。

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